読書散歩 #67

抽選でいただいたサイン入りの小説

Selected by安積秀幸参与先生

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平成28年10月2日、神戸新聞読書欄の
「ヨミゴロです」というコラムに、
高田郁さんが『あきない世傳 金と銀』の第2巻を
出版されたことが紹介されていました。

高田さんが書かれた色紙の写真とともに、
最後に「3名の方にサイン入りの本をプレゼント」とありました。
早速はがきを書き応募しました。
岩崎東里先生にも応募の話をしました。
今までこのような応募をして当たったためしがないので
「どうせだめだろう」とあきらめていましたら、
13日に「神戸新聞社から何か届いていますよ」との連絡。

サイン入りの本、当たりました。
嬉しくて、震える手で、封を開けました。
 「感謝」という言葉が書かれた本でした。

高田郁さんのサイン_convert_20161210145035











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あきない世傳 金と銀 二 早瀬篇
高田 郁 著 (ハルキ文庫)

高田郁さんの時代小説は、いつも
あたたかい人情に触ながら、
展開にわくわくしながら読んでいます。
第1巻から読むべきなんでしょうが、
待ちきれずに読み始めました。

倒れ掛かった呉服屋「五鈴屋」に奉公している
主人公の「幸」は、突然、
遊びほうけている店主徳兵衛の後添えになります。
店のことは全く考えない徳兵衛は好き放題、
挙句の果てに店の要石と呼ばれている番頭を
半身不随にしてしまいます。
そのような中で、次男の惣次は
一生懸命店を支えています。

幸は寝込んでいる番頭に

 今は戦のない太平の世、とひとは言うけれど、それは違う。
 今は『商い戦国時代』やて、私は思うてるんだす。(中略)
 幸やったら、知恵を武器にして商いの道を切り拓いていけるやろ。
 お前はんは、戦国武将になれる器だすのや

と言われ、呉服商の商いを学び始めます。
いろいろな展開にわくわくしながら読みました。
 
この小説の冒頭が「縹色の反物を一面に広げたような、
迷いのない真澄の空が頭上に広がっている。」です。
のっけに第64回「『和の色』に出会う」で紹介しました
「縹色」(はなだいろ)が出てきます。
その他にいろいろな色や生地が出てきます。
「紅鬱金(べにうこん)の紙入れ」なども出てきます。
色や生地が重要な要素になっています。

またまた、「和の色事典」が活躍しました。続きが楽しみです。


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あきない世傳 金と銀 源流篇
高田 郁 著 (ハルキ文庫)


第2巻を待ちきれずに先に読んでしまいましたが、
第1巻を買いました。

学者の家に生まれ育った「幸」は
幸せな日々を送っていました。
しかし、よき理解者であった兄が亡くなり、父も亡くなり、
呉服屋「五鈴屋」に奉公することになります。

幼い時から父に

 「人々の暮らしの基は、農にある。政の基も、本来は農にあるべきなのだ。
 自らは何も生み出さず、汗をかくこともせず、
 誰かの汗の滲んだものを
 右から左へ動かすだけで金銀を得るような、
 そんな腐った生き方をするのが商人だ。
 商とは、即ち詐なのだ」

と教え込まれた幸は、番頭さんの「治兵衛」をはじめ
五鈴屋の人たちに教えられながら「商い」を学んでいきます。

その基になっているのが

 「知恵は、生きる力になる。知恵を絞れば、無駄な争いをせずに、
 道を拓くことも出来る。知恵を授かりたい、という
 幸の願いはきっと叶えてもらえるよ」

という兄の言葉です。

江戸時代の「士農工商」考えの父、
それとは違った新しい考えを持った兄の言葉に
励まされる幸は、
特に番頭にいろいろと教えてもらいます。

巻末の「治兵衛の商い講座」も興味深く読んでいます。
先に読んだ第2巻にようやくつながりました。
この後の展開が楽しみです。


黄八丈とカリヤスとカラムシ

小説の中に、品のある色に染まった
黄八丈の反物の話が出てきます。
黄八丈は刈安という植物で染めることも出てきます。
『牧野植物図鑑』で調べてみました。

コブナグサ(かいなぐさ、かりやす 古名 かいなぐさ、あしい)と、
カリヤスの2種類の植物が書かれています。
コブナグサの欄に、
「八丈島では八丈絹の黄色の染料として使う」
とあります。

「和の色事典」では、コブナグサで染めた黄八丈と
カリヤスで染めた刈安色が別々に出ています。
刈安色も鮮やかな黄色と青みがかった黄色が紹介されています。
見惚れてしまいました。

インドネシアの姉妹校から届いた
日本のカラムシを使った織物を紹介します。

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This Shawl is made from a mixture of “Karamushi” and “silk” yarn.
We made this shawl using traditional weaving machine
at Sukabumi, west java, Indonesia.

“Karamushi” means Boehmeria niponoviea,
type of plant which is an ingredient for fabric. “Showa” is
a village name where this michinoeki locates.
Showa village in Fukushima is the area
where boehmeria niponoviea is used to make fabrics.

“Karamushi” of Showa-mura started when Ashina Morimasa,
lord of the Aizu domain at the beginning of the Muromachi period,
encouraged its cultivation. Karamushi,
a ramie, is an urticaceous plant called “choma” or “aoso”.


 (訳)
  このショールは、「カラムシ」と「絹」の混合糸で織られたものです。

  インドネシア・ジャワ島の西ジャワ州にあるスカブミという街の
  伝統的な織り機を使って作りました。

  日本の福島県に「からむし織の里しょうわ」という道の駅があります。
  昭和村では、カラムシ(学名: Boehmeria niponoviea)の
  栽培が行われていて
  古くからカラムシの織物を作ってきました。

  昭和村のカラムシの歴史は、室町時代に
  会津藩の領主だった蘆名盛政(あしなもりまさ)が
  栽培を奨励したことから始まりました。

  なおカラムシはツツジ科の植物で
  「苧麻(ちょま)」や「青苧(あおそ)」とも呼ばれます。


と説明書に書かれていました。

渋い落ち着いた色に染めてありました。
福島の昭和村とインドネシアの架け橋の織物です。
嬉しい気持ちになっています。





* 「読書散歩」とは?

「ポーランドコーナー」を展開中です

ポーランドコーナー_201612


いま、図書室に入ってすぐのスペースを
「ポーランドコーナー」として
ディスプレイしています。

大きく貼り出しているのは、
今年の初夏に、研修旅行で同国を訪れた
特進コースの2年生によるレポートです。

ポーランド共和国の首都、ワルシャワには
本校の姉妹校であるナザレ校があり、
同校の生徒の皆さんとの交流は、
研修旅行の大きな目的のひとつとなっています。

レポートの掲示とあわせ、
ポーランドに関連する書籍を集めています。

思い思いの「入り口」から、
ポーランド共和国との関わりを深めていってもらえたら、
と考えています。


プロフィール

兵庫県播磨高等学校

Author:兵庫県播磨高等学校
2021年に創立百周年を迎える兵庫県播磨高等学校です。
「読書の学校づくり」を推進中です。

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