副校長の読書散歩 #10

       
自己啓発へとつながる三冊

selected by 安積秀幸副校長先生




自己啓発書


本校では『7つの習慣J』を導入して、
やる気や自主性を引き出し、
「あきらめないこと」や「頑張り続けることの大切さ」を
習慣として身につけることを目指しています。

自己啓発のための本は数多く出版されています。
少し前になりますが
『もし高校野球のマネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』が
「もしドラ」と呼ばれて、ブームになりました。
この「もしドラ」がNHKでアニメ化されたことは
皆さんもよくご存じのことと思います。

私も自己啓発書をいろいろと読んでみましたが、
そのうちの何冊かをご紹介します。
読むだけではだめです。
一つでも心掛けて、実行することが大切です。
何冊かを読んでの実感です。








7つの習慣


『7つの習慣』
スティーブン・R・コヴィー 著(キングベアー出版)



この本は、今でも書店に平積みされてよく売れているようです。
本の帯には、全世界で3000万部、
日本国内で160万部売れたと書いてあります。

平成15年6月10日の日経産業新聞「ビジネススキル」面に
「自分を変えられますか」というタイトルで紹介された記事で、
私はこの本を知りました。早速書店で購入し、読みました。
その時は、「今まで読んだ自己啓発書とあまり変わらないな。
まとめ方が違っているだけだ」という思いでした。
ごくごく当たり前のことを7つに分けて紹介した本という感じでした。

この本と再会したのは、
兵庫県播磨高等学校に勤務することになり、
職員室の本棚を見た時でした。
自分の本棚の『7つの習慣』を久しぶりに開いてみると、
日経産業新聞の記事の切り抜きがはさんでありました。
その切り抜きを、
「7つの習慣J」を担当されている先生方にもコピーしました。

学校で「7つの習慣J」を紹介するプレゼンテーションを
「よくできているなー」と思いながら拝見しています。
ごくごく当たり前のことを実行する、これがむずかしいのです。






人を動かす帯なし  道は開ける


『人を動かす』『道は開ける』
D・カーネギー 著 (創元社(新装版))



この2冊の本を読んだきっかけは、
教育委員会で勤務していた時、
当時の教育次長から紹介されたことでした。
私がその後に自己啓発書を何冊か読むきっかけになった本です。

『道は開ける』の内容は、悩みや批判を気にしないためには
どのようにすればいいのかが中心のように思います。
この「気にしないこと」がなかなかできません。
読んでいて、「この本に書いてあることができれば、
だれも悩まないよなあ」と思いました。

一方、『人を動かす』では、
最初に「盗人にも五分の理をみとめる」とあります。
このタイトルを見て、父から言われた一言を思い出しました。
私が就職してしばらく経ってからのことでした。
「おまえは、相手が反論できないように、
このような意見にはこのように答えを返すなど、
いろいろな場合を想定して
相手をどんどん追い込んでいくような話し方をする。
一か所でもいいから、相手に逃げ道を作っておくようにしないと、
『窮鼠猫を噛む』のたとえがあるように、大きな反発がいつか返ってくる」
と言われました。

大学の恩師、米山徹先生に教えていただいた
「孫子 九変篇 囲師*」に似たような話がありました。

父親となった自分は、子どもにそのような的確な話が
できているのか、したことがあるのか、考えてしまいます。

*囲師:包囲している敵には逃げ道を設けておかなければならない――の意。






カモペン


『カモメになったペンギン』
ジョン・P・コッター 著 (ダイヤモンド社)



豊岡に単身赴任をしていた時、
当時の定時制課程の行事でこの『カモメになったペンギン』の
アニメ映画を見たことが本を読んだきっかけです。

しばらくは忘れていたのですが、
書店で見つけて購入しました。
氷山が溶け始めていることを発見した一羽のペンギン・フレッドの話です。

氷山が溶け、自分たちの生活がおびやかされている。
その警告をするのですが、
「今まで氷山が溶けたことがない。今後溶けることもない」
と考えを変えようとしないペンギン議会の長老。
生活できるいい場所を探そうと運動するペンギンのフレッド。

読み始めて1時間もかからずに読み終えることのできる本ですが、
いつの間にかフレッドを「頑張れ、頑張れ」と応援していました。
はたしてフレッドのような行動を私はとることができるのだろうか。
そのようなことを考えながら、
やる気のエネルギーをもらった一冊でした。


*冒頭の画像作成にあたり、素材をお借りしました:http://mirob.chu.jp/?page_id=12


* 「副校長の読書散歩」とは?

副校長の読書散歩 #9

       
古代中国文化に関する二冊

selected by 安積秀幸副校長先生




古代中国に関する二冊



前回の読書散歩で水滸伝を紹介しました。
中学校に入学したころに吉川英治の三国志三巻を
寝るのも忘れて読みふけったことを思い出します。

三国志や水滸伝、西遊記など中国の長編小説には
多くの妖怪が出てきます。
その妖怪について書かれた本を紹介します。

中国の五大小説に関する本、妖怪に関する本を読まれてから、
また中国の長編小説を読まれるとより面白さが増し、
新しい発見をされること請け合いです。







中国の五大小説・上   中国の五大小説・下




『中国の五大小説(上)三国志演義・西遊記』
『中国の五大小説(下)水滸伝・金瓶梅・紅楼夢』 
井波律子 著(岩波新書)



前回紹介しました宮崎市定著『水滸伝』を読んで、
再度 水滸伝にはまっていました。

宮崎市定『水滸伝』で紹介されたいろいろな水滸伝を
比較しながら読み漁り、
訳者それぞれのリズムの違いを楽しんでいました。
馬琴の訳はリズム感あふれる本です。

今回紹介する本は、その時に出会った本です。
帰宅途中の電車待ちの時間に
ふらっと立ち寄った書店で見つけました。

中国の五大小説とは、
三国志演義、西遊記、水滸伝、金瓶梅、紅楼夢です。
この本を読んで、水滸伝、金瓶梅、紅楼夢は
深いつながりがあることを初めて知りました。

金瓶梅は水滸伝の挿話をそっくり踏まえた形で
物語を展開させているということ、
また、紅楼夢は金瓶梅を踏み台にして
内容や表現を新たにして物語が展開されているということです。

この五大小説を別々に読まれた方も多いと思います。
この本を読まれてから、それぞれの小説を読まれたら、
また新しい発見が見つかると思います。






中国の妖怪


『中国の妖怪』
中野美代子 著 (岩波新書)



この本を読むきっかけは、
前に勤めていた学校で最後の授業をしたことです。
物理に関係した内容ということで、
「光の屈折と虹」について話をしました。

話をしながらふと疑問に思ったのが、
「『虹』という漢字は、なぜ虫偏なのか?」
ということでした。

最後の授業を聞いておられた国語の先生にこの質問をしました。
しばらくして、
その先生から『故事類苑』のコピーをいただき、
『説文解字』等の原典を調べ、
どうやら龍に関係があるらしいということにたどりつきました。

その時に、時間つぶしに書店に立ち寄った際に見つけました。
五爪の龍は中国皇帝の象徴、
龍に関係のある饕餮文(とうてつもん)の話など、
なかなか興味が尽きない展開です。
本当によく調べられたことと感心しながら読みました。

ある人と龍の話をしていた時、
龍には九匹の子どもがいる。その第一子が、「贔屓」と言い、
形は亀に似ていて重い物を背負うのが好きだ
と教えていただきました。

松江藩主松平家の菩提寺である月照寺の
巨大亀型の寿蔵碑が夜な夜な松江を徘徊すると
小泉八雲の随筆にあります。

淡路の平見神社にも鳥居を背負った石の亀があります。

贔屓

贔屓2

両方とも亀と言いながら耳がついています。
この亀は「贔屓」ではないかと勝手に思っています。



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プロフィール

兵庫県播磨高等学校

Author:兵庫県播磨高等学校
2021年に創立百周年を迎える兵庫県播磨高等学校です。
「読書の学校づくり」を推進中です。

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