読書散歩 #74

読書散歩 第74回
無私の人と美しい日本語

兵庫県播磨高等学校は、
「形から入って心を育てる」教育を推進し、
「誠実 敬愛 礼節」と
日本人が長い間、大切にしてきた心を校訓に掲げています。

今回は、人のために尽くした「無私の日本人」を紹介した本と、
美しい日本語を話すための助数詞についてのエピソードを
まとめた本を紹介します。


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無私の日本人
磯田道史 文春文庫

この本は、鳥取のYさんが
平成28年12月15日に来られた時にいただいた本です。
この本には、穀田屋十三郎、中根東里、大田垣蓮月の
3人が紹介されています。

Yさんは以前から中根東里に興味を持っておられ、
岩崎東里先生と名前が同じということで紹介いただきました。

その時に鳥取で手に入れられた
中根東里の「新瓦(しんいとまき)」のコピーもいただきました。

紹介されている3人は、
兵庫県播磨高等学校の校訓「誠実 敬愛 礼節」を
江戸時代に自ら実行された方々のように感じています

中根東里はご存知の方もあるかとは思いますが、
江戸時代に活躍した中国語も話せる
陽明学者として有名ですが、
自らの著作は焼却してしまったため、資料の少ない人物です。
「新瓦」も東里が弟の子を育てることになり、
その子にいろいろと教えるために残したものです。

この中根東里をはじめ「無私の日本人」に
取り上げられている3人の人物は素晴らしい人物です。

あとがきには、磯田道史さんが書かれた
「武士の家計簿」を読まれた、
仙台近くの吉岡に住んでおられる方からの
「是非後世に伝えてほしい」という手紙が
きっかけになったことを書かれています。
調べるにあたって古文書を読んでいて
泣いたとも書かれています。

村の存亡の危機に対し、
穀田屋十三郎と村の8人の篤志家が
自らの財産をはたいて仙台藩に千両という金を貸して
その利息で村の運営費を賄うという、
当時としてはとんでもない計画を立てて実行します。
のことを自慢するではなく、子孫には
「今後一切、このことを絶対に語ってはならない。」
と言い残し、今も吉岡でその話を聞くことはないそうです。

中根東里は、荻生徂徠との師弟関係も断ち切り、
表に出ない生活を続けます。
「新瓦」に出てくる話も書かれています。
栃木県佐野市の佐野市郷土博物館に
中根東里の残した「学則」の版木があることを知り、
佐野市教育委員会に問い合わせをし、
「学則」の書き下し文を頂戴することも出来ました。

大田垣蓮月はよく知られた文人ですが、
人のことを思う生き方は
なかなかできないことと思いながら読んでいきました。

自分中心、経済中心の世の中ですが、
この3人のように「清らかすぎる人々」の生き方や考え方は
読んでいてさわやかな気持ちになりました。

これからの日本を背負う若い方々に、
一度この本を読んで、人と人のかかわりの大切さを
考えてほしいと思っています。



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日本の助数詞に親しむ-数える言葉の奥深さ-
飯田朝子 東方出版

助数詞の本は
第27回の「数え方でみがく日本語」で紹介しました。
この本を読むきっかけは、新聞の広告欄に
「魚は水中では匹と数えますが、
水から上げられると尾(び)になります。
そんな日本語が豊かになるエピソードが満載」
と書かれていたからです。早速書店で購入しました。
表紙も文中にも、カラーの楽しい絵が満載です。
もちろん本文も読みやすく、一つ一つの話に区切りがあり、
通勤途中でも楽しく読むことができました。

「数え方は昔ながらのものを守って、
 それをずっと使い続けるのが正しい」
という考えではなく、長い日本語のあゆみの中で、
先人たちは新しいものに触れるたび、
そして新しい概念に出会うたび、
それらに適した数え方を必要としました。

先ほど新聞広告で紹介されていた魚の欄でも、
スーパーマーケットでトレイに入って売られている魚類は
総じて「一パック」と数えることが紹介されています。

ときどき「助数詞まめ知識」というコラムがあります。
その一つに「奈良漬を演出する粋な助数詞」に
奈良漬けの数え方が書かれています。
材料のウリは形に応じて「一個」や「一本」と数えますが、
奈良漬はウリを縦に半分に切って漬けます。
その形が舟に似ていることから、
できあがった奈良漬は
「ひと舟、ふた舟」と数えると紹介されています。

後ろに索引が出ていますが、使いやすく、
辞典のような使い方ができ、
この本の魅力を高めているように思います。
社会に出たときに美しい日本語が話せるように、
ぜひ一度は読んでほしいと思います。

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読書散歩 #73

読書散歩 第73回
学校の図書館の「朝井まかて」さん

朝井まかてさんの小説は、
私の大好きな時代小説のひとつです。
朝井まかてさんは、いろいろなジャンルの時代小説を書いておられ、
そのどれも、主人公となった人が
人知れず悩み苦しんでいるその気持ちを汲み取り
あたたかく包み込んでしまう展開になっています。

今までにも第47回で「ぬけまいる」「すかたん」「阿蘭陀西鶴」、
第48回で「先生のお庭番」、
第53回で「花競べ」「恋歌」「藪医ふらここ堂」、
第63回で「眩」、第64回で「残り者」と
多くの作品を紹介してきました。
この3冊も学校の図書館でお借りしました。

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銀の猫
朝井まかて 文藝春秋


「銀の猫」は、岩崎東里先生からの紹介です。
介護をテーマにしたものです。
兵庫県播磨高等学校と同じ系列の
ハーベスト医療福祉専門学校には
「介護福祉学科」があり、介護福祉士の養成をしています。
学生は、介護福祉士の資格取得を目指して
一生懸命に勉強や実習をしています。

 「江戸の町は、長寿の町だ。子供はふとした病で
  あっけなく亡くなるけれど、
  五十過ぎまで生き延びればたいていは長生きで、
  七十、八十の年寄りはざら、百歳を過ぎたものもいる。」

と本には書かれており、そのような前提で話が進みます。

主人公のお咲は、年寄りの介護をする
「介抱人」とよばれる職についています。
口入屋「鳩屋」の主人に温かく見守られながら、
だらしない生活を送っている母親の
つくった借金を、払い続ける生活を送っています。
義父の介護をした時にもらった銀で作られた猫を
お守りにしてお咲は頑張ります。

お咲が泊りがけの介護をした一人の隠居「おぶん」も
なかなかいい役割を演じています。
お咲が母親のわがままに耐え切れなくなった時、

 「あんまり辛かったら離れたっていいんだよ。
  母親を捨てたってことを、
  決してくいないってぇ覚悟さえあれば。」

という一言、
道楽で介護を始めると宣言し、

 「あたしはね、ずっとどうなんだろうと
  思ってきたことがあるんですよ。
  親の介抱に尽くした者ほど、
  自分は誰の世話にもなりたくないと口にする。
  これが務めだと思って自分はしたけど、
  うちの子には同じ思いはさせたくないって・・・・・・
  これって、どうなんだろう」

という一言。
このような一言一言をかけられ、お咲は気分を新たに
前に進めたのではないだろうかと思います。



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落陽
朝井まかて 祥伝社


この本は新聞広告で見て、岩崎東里先生にお願いしてお借りしました。

朝井まかてさんの時代小説の好きなところは、
「口には出さないけれど、その人のことを気にかけ、
思っている人と人との気持ちのやり取りが素晴らしい」ところです。

親子であることが多いように感じますが、
今回の主人公は明治天皇です。

幕府が倒れ、新政府になり京都から東京へ、
また、突然に政治の世界に身を置かれてのご苦労など、
明治神宮を東京にという人の思いを
新聞記者の瀬尾亮一が追いかける展開です。

明治神宮の森を150年の長い年月の末に完成させる
長大な計画については、
以前「歴史秘話ヒストリア」で見て知っていましたが、
改めて文で読んでみて考え方に驚き、感心してしまいました。

従来の概念で
「伊勢神宮等のように神宮林は針葉樹でなければならない」
と考える首相大隈重信に、

 「では、神宮林苑に杉を植えるとしたとしましょう。
  その何千本が枯れてしまった場合、いや、
  間違いなく枯れるのでありますが、
  あなたはその責任を御取りになれるんですね」

と言って広葉樹林の神宮林を承諾させた話は、
その自信と気概に感心してしまいます。

また、瀬尾亮一が元女官だった女性との話の中で、

 「明治天皇は近代国家の君主として、
  西洋の新しきを率先して採り入れられたのではありませんか」

 「事と次第によります。先ほども申した通り、
  聖上にとっての神事は他のこととは違います。
  まず形が大事やというのに、
  その形が変えられてしまいましたのやから。
  いかに近代化といえども、
  時代に合わせて儀式や作法を変えるなど以ての外や。
  永世不変の形、それこそが正しい形です」

の話には考えさせられました。

日本のこと、国民のことを思っておられた明治天皇の
想いを追い続ける記者魂にも感心しました。


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最悪の将軍
朝井まかて 集英社


「犬公方」として有名な、日本史の授業でも
「人間より犬を大事にした将軍」「生類憐みの令」
と教えられた徳川綱吉の物語です。

将軍になりたいとも、順番からも到底なれないと思っていたところ、
「強き将軍に成りて、天下を束ねよ」「太平の世を」という
遺言のような言葉で五代将軍になります。

まだ戦のために命を捨てることを厭わない考えを
多くの武士が持っていた時代に
戦のない庶民が平和に暮らせる太平の世にするために
いろいろと考えます。
人の命を大切にするためには、
犬などすべての命を大切にするように指示をしますが、
そのことが曲解され人より犬が大切という事態が生じます。

あわせて忠臣蔵で有名な赤穂浪士の討ち入りや、
富士山の噴火や地震が起こり、
さまざまな陰口をたたかれた将軍ですが、
太平の世をつくるために・・・・・。

正室信子とともに祈る場面の、

 「天下をお預かり申す徳川右大臣綱吉が願い奉る。
  すべての災厄は、余の一身にてお受け申し上げる。
  ゆえにこの国の民に、今一度、生きる場をお与え給え」
  信子も気を整え、頭を垂れる。
  が、どうしたことだろう。胸の中で逬ったのは、
  挑みかかるような思いだった。

で、全て語られていると思っています。
このような人の思いや心の展開が
朝井まかてさんの素晴らしいところと感じています。

読書散歩 #72

読書散歩 第72回
アンパンマン


皆さんのほとんど方が、幼い時
アンパンマンに夢中になられたのではないかと思います。
また、少し大きくなったときには、
「もう子供ではない。アンパンマンなんてもういやだ。」
と思った方も
多いのではないでしょうか。

「アンパンマンのマーチ」の歌詞を覚えておられますか。

 なんのために うまれて
 なにをして いきるのか
 こたえられないなんて そんなのはいやだ

で始まります。私は、孫と楽しむためにオカリナで
「アンパンマンのマーチ」を練習している時に、
「この歌詞、幼児向けの歌詞ではないよなあ。」と
感じました。
そう思われませんか?

アンパンマンの生みの親で
「手の平に太陽を」の作詞者のやなせたかしさんが、
この歌の答えを書かれたのではないか
と思われる本に出会いました。


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アンパンマンの遺書
やなせたかし
岩波現代文庫


本屋さんでたまたま見つけて、購入しました。
というのも、「はじめに」に、
 「僕が死ねば、アンパンマンがどういう風にして
  ぼくの中で育っていって
  世の中へ出て行ったのか解らなくなる。」
という一文があったからです。

「起の巻」「承の巻」「転の巻」「結の巻」の4部に分けて書かれています。

やなせたかしさんの周りには、手塚治虫さんをはじめ、
有名な方がおられました。
周りの方々は、
早々にそれぞれ独自のキャラクターで颯爽とデビューされ、
自分だけ取り残された気持ちを切々と書かれています。
しかしその時その時に手がけたことが徐々に形を成して
アンパンマンを生み出したとあります。
奥様への愛情あふれる本です。

読んでいて多くの興味深い文を見つけることができました。
「承の巻」では、
 「非常に不思議なことに、ぼくのくだらない願いは
 たいてい実現する。」
と書かれています。

私は、いろいろな方に教えていただいた印象的な言葉を書き留めたノートに
「心得帳」と名前を付けており、心得帳の中身は増え続けていますが、
そこに「深く思う」という言葉があります。
ある講演会で、
「自分の願いをかなえるには、深く、深く思うことだ」と
聞きました。
深く思えば、その願いがかなうこともあるということです。
自分自身の深い思いが、お会いして話をしている人に伝わり、
さまざまな情報をいただける、そして願いがかなう。
専門学校の学生に先日、深く思ったことで願いがかなった
私自身の経験を交えて「深く思う」話をしました。
そのような経験を
やなせたかしさんは何回も経験されたのだと思います。

その時その時の人生の節目で
やなせたかしさんの思いに触れることができました。
また、亡くなる8か月前に書かれた
巻末の「九十四歳のごあいさつ」には、

 赤ちゃん番組とバカにされているアンパンマンは、
 実は内容的には決して子どもだましではなかったのだ。
 テーマソングは
 「なんのために生まれてなにをして生きるのか」と哲学的である。
 しかしすべてが幼児枠にはめられたために驚くべき現象が起きて、
 ぼくはぎょうてんしてひっくりかえってしまうのである。

とあります。

やなせたかしさんの自身の
「なんのために生まれてなにをして生きるのか」への
答えは明確に書かれてはいませんが、
「やなせたかしさんご自身の生きている」そのことが
その答えのように思いました。
やなせたかしさんの子ども「アンパンマン」への
深い愛情あふれる一冊でもあります。

私がアンパンマンのテーマソングで感じた疑問が
解けたように思います。
読み終えて、さわやかなあたたかい気持ちになった本でした。

読書散歩 #71

読書散歩 第71回
インターネット版の新聞記事で
紹介されていた本


各新聞社はインターネット版の新聞を
会員登録すれば読めるようになっています。
過去の新聞記事を検索したり、
過去の新聞紙面を見ることができたりします。
なかでも、インターネット版でないと読めない随筆などが
掲載されていることがあり、なかなか楽しいものです。

私も、購読している新聞社に会員登録して
インターネット版の記事などを読んでいます。
その中で、日曜日の読書欄ではなく
「新着ニュース」の中で紹介されていた本を紹介します。
仕事帰りに本屋さんに寄って購入し、
通勤電車の中で読みました。
乗り越してしまいそうになった2冊です。

この2冊は、岩崎先生にも紹介しています。
これから文章を書くことが多くなる生徒の皆さんにお勧めです。


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書く力 私たちはこうして文章を磨いた
池上彰 竹内正明
朝日新書


私もこのように「読書散歩」を書くときには、
どのように書けばいいのかと
迷ってしまうこともしばしばです。

最初は思うことを字数も、長さも考えずに
ただひたすらに思ったことや感じたことを書き連ねます。
何日かおいて読み返しますと、意味が通じなかったり、
繰り返し同じことを書いていたりします。
その時は思い切ってばさばさ切っていきます。
また、数日してから読み返し、表現なども考えます。

この本はジャーナリストの池上彰さんと
読売新聞の「編集手帳」を書いておられる
竹内正明さんの対談ですが、
本文より先に竹内さんが書かれた「対談を終えて」を読み、
さらにこの本を読んでいくのが楽しみになりました。

読み終えて、グサッと突き刺さったことが多かった本です。
予想通りの本でした。
気になったところに付箋を貼りましたが、
読み終えてみると、付箋だらけでした。
付箋を貼ったところをいくつか紹介しますと、

★少なくとも常に「これは誰に向けて書いている文章なのか」を
自覚しながら書く。


このコラムも、最初は生徒の皆さんや同じ職場の皆さんに
読んでほしいと思った本を紹介するつもりで書き始めました。
しかし、書き進むにつれ、読み手を忘れて自分が楽しんでいました。
この一言で初心に帰ることを痛感しました。

★まずは、「読者を惹きつける書き出し」。
次に、「読者に予想させない展開」。
最後に、「書き出しと結びつけたオチ」。


私たちは、今まで文を書くには「起承転結」と教えられてきました。
第1回で紹介しました「その日本語、通じていますか」でも
結論がわかりにくいと紹介しました。
なかなか、たとえが面白く、なるほどと思ってしまいました。

★「好きな言葉」や「好きな表現」というのは、
本当はあまり「使ってはいけない言葉」だと思います。


文を書くときにあまり考えもせずに安易に済ませてしまう
自分自身を発見しました。

紹介記事の締めくくりの文章は、

 文章は技術の結晶としてあるのだろうが、
 感情をコントロールする、自慢話は控える、練習を欠かさない、
 といった文章心得は、
 そのまま精神修養の徳目にも使えそうだ。
 文は人なり。心したい。

是非読んでください。おすすめの1冊です。



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文庫解説ワンダーランド
斎藤美奈子
岩波新書


まあ、何と歯に衣を着せぬ言い方でしょう。
文庫本を読むときには、
まず解説から読んでから本文を読み始める私にとって
驚きの1冊でした。

「文庫本の巻末についている『解説』は何のためにあるのだろう。」
という一文から始まる「序にかえて」から、
引きずり込まれた本でした。
「解説」についてよくもこれだけ辛口に書けたものだと感心します。

曽野綾子さんが解説を書いている「小公女」の章には、
「この説教くさい解説の主は、訳者の曽野綾子である。(中略)
『小公女』までダシにするんだもんな。
 困ったもんだな。曽野綾子。」
と書かれています。
この本全体にわたって、
この口調(文調?)で、この辛口で書かれています。

「小公女」をはじめとして夏目漱石の「坊ちゃん」、
マルクスの「資本論」、松本清張の「点と線」などが、
「あの名作に、この解説」「異文化よ、こんにちは」
「なんとなく、知識人」「教えて、現代文学」の4章に分けて、
延々と「解説」を比較しながら話が進ん行きます。

「解説」をただ何となく、本に書かれている概要なり、
読む視点を探るために読んでいた私には、
本当に驚きであり、面白い本です。

「おーおー、ここまで言うか。」とか「そーか、なるほど。」と
感じながら読みました。痛快な1冊です。
本文についてあまり詳しくは書きませんでしたが、
是非読んでください。

読書散歩 #70

読書散歩 第70回
Yさんからのおいしい贈り物


鳥取のYさんから大きな封筒が届きました。
わくわくしながら開封すると手紙には

 月刊雑誌「ディスカバージャパン」に
 松江・彩雲堂の「彩紋」という和菓子が紹介されていました。
 お茶を嗜まれる先生に“これだ!”と思いました。
 お茶請け一回分程のささやかな量で申し訳ありません。
 別の箱の「おかし」は賞味期限長そうなので、
 お仕事の合間、合間にゆっくりとお召し上がりください。

とありました。
「彩紋」は包装紙が棟方志功の絵です。

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もう一つの箱には、表には「謹製 おかし」と、
横には「創業明治三十四年 菓子司『潔』」と書かれていました。

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「ふ~ん。こんなお菓子があるのか?」と思いながら箱を開けると
本が入っていました。
「そら、賞味期限長いわなあ」と言いながら、
妻と二人で笑い転げました。

岡潔(おかきよし)は、「おかき、よし」です。
菓子司『潔』はおいしいおかきを作っておられるのでしょう。

電話をしてお聞きしますと、
この箱は一生懸命手作りされたそうです。
「賞味期限は100年以上あるわなあ」と
電話も楽しいひと時でした。

大笑いもプレゼントしていただき感謝、感謝です。
「彩紋」もおいしくいただきました。

「謹製 おかし」はじっくりと時間をかけていただきました。



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岡潔 数学を志す人に
岡潔
平凡社STANDARD BOOKS


この本の帯には「栞執筆:松岡正剛」と書かれています。
挟み込まれている栞から読み始めました。

この本に収録されている随想は、
 生命(1965年64歳)、こころ(1964年63歳)、天と地(1964年63歳)、
 数学を志す人に(1963年62歳)春宵十話(1963年62歳)、
 かぼちゃの生い立ち(1964年63歳)、数学と大脳と赤ん坊(1964年63歳)、
 ロケットと女性美と古都(1964年63歳)、日本的情緒(1963年62歳)、
 物質主義は間違いである(1968年67歳)、宗教について(1963年62歳)、
 六十年後の日本(1965年64歳)、人とは何か(1969年68歳)
が掲載されています。

それぞれの随想の最後に書かれた年とその時の年齢まで書かれています。
書かれた時が近いものですから、同じことが何回も繰り返し出てきます。

「教育するには時期が決まっている。」と何回も出てきます。
ご自身の経験からのことと思いますが、
「ほんとにそうなの?」と頭をひねってしまうことが
しばしばの本でした。
また、読んでいて、岡潔さんの考えには
「なるほど」と思うところがたくさんあるのですが、
論理の飛躍があり、「なんでこんな結論になるの?」と
感じるところもたくさんあります。

「宗教について」という随想も掲載されていますが、
仏教の経典を理解しないとわからないところがあり、
理解できないところもあります。

松岡正剛さんが栞に
「ふりかえってみると、岡潔に教えられたこと、嬉しくなったこと、
虚を突かれたこと、泣きそうになったことはそうとうにある。」
と書かれています。
このように感じられる松岡さんにも感心してしまいました。

このシリーズはYさんも「なかなかおもしろい」と言っておられました。
新しいことを、また、Yさんに教えていただきました。

寺田寅彦、野尻抱影、中谷宇吉郎、牧野富太郎、櫛田孫一、
稲垣足穂、朝永振一郎などが刊行されていくようです。
読んでみたい人が続いています。

プロフィール

兵庫県播磨高等学校

Author:兵庫県播磨高等学校
2021年に創立百周年を迎える兵庫県播磨高等学校です。
「読書の学校づくり」を推進中です。

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